駿河台経済新聞

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【就活本紹介】 『採用基準』『スタンフォードの自分を変える教室 』『面接ではウソをつけ』

 こんにちは、今回は就活本紹介記事、第4弾です!

 

今までの就活本紹介記事はこちら

【就活本紹介】『面接では嘘をつけ』 『親は知らない就活の鉄則』

【就活本紹介】 『MBA式 面接プレゼン術』 『人事のプロは学生のどこを見ているか』

【就活本紹介】 『就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条』 『大二病 「評価」から逃げる若者たち』 - 駿河台経済新聞

 

 『採用基準』

駿河台経済新聞の評価:★★★★☆

採用基準

採用基準

 

 

 伊賀泰代さんの『採用基準』についての書評をしたいと思います。

 マッキンゼー社採用出身のかたが書いた”採用基準”というタイトルの本なので、マッキンゼーの採用について書いた本なのかと思いきや、「はじめに」に「これは現在のマッキンゼーの人事制度や採用基準の解説ではありません。」とあるとおり、マッキンゼーの採用がきになる読者にはきっと不向きでしょう。

 前半は著者の経歴と誤解されているマッキンゼーの採用基準について書かれています。後半は「リーダーシップ」についてかなり詳しくかいてあります。ほとんどリーダーシップについての本と言えるでしょう。


 個人的に目からウロコが落ちたのは、アメリカの大学院(ビジネススクール)の戦略についての記述です。“世界各国から集められる留学生はいわばアメリカ人にとっての「外国人のサンプル」なのです”

 本によると、もともと英語が通用し世界について考える必要のないアメリカ人は最初からグローバルな人材というわけではなく、ビジネススクールでたくさんの人種と交わることによってグローバルな人材へと育っていくそうです。
 優秀な人を集めて、学校の評判や地位を高めるためにいろんな国から集めるという戦略は容易に想像できますが、この「外国人サンプル」を集めるという考えはなかなか自分では思いつかない考えでした。

 後半のリーダーシップについての記述の中では、普通の会社では肩書きがあがってからそれ相応のリーダーシップを身に着けるが、マッキンゼーでは、相応のリーダーシップが身に着いて肩書きが上がるそうです。なるほどと感心しました。

 

 マッキンゼーで求められる、世界で活躍するために求められるようなリーダーシップを学びたい方は読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

スタンフォードの自分を変える教室 』

駿河台経済新聞の評価:★★★☆☆

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

 

 

 非常にわかりやすく、読んでいて興味が沸いてくる本であった。読み終わったあとに、自分を見つめ返すことは就職活動に向けてのやる気をより増させると感じた。

 

将来の夢がすでに明確に決まっている人は少ないと考えられる。将来の自分をはっきりと想像することは難しい。私たちが就職活動を始めるにあたって、いきなり働きたい職種、企業を決めることは、不可能であるといえる。可能であったとしても、実際に働いてみて失敗する確率のほうが高いであるだろう。そこで、大学生を例として考えてみると、就職活動が本格的に始まる時期になる前に、一度自分を見つめ、自分を知り、将来の自分について考えておくことが、現時点ですべきことであると私は考えた。また、自分を見つめること簡単なようで非常に難しいことである。企業を周り、自分を売り込む際にも、自分を知っておくことは重要である。

 

本書は、自分の潜在能力を確実に引き出す本として、スタンフォード大学の人気講義をまとめたものである。受講した学生の97%の人生に影響を与えた。

本書では、誰もが弱いと感じる意志力に重きを置き、いくつかの意志力を鍛える実験を紹介しながら書かれている。意志力は「やる力」「やなない力」「臨む力」三つに別れ、これこそよりよい自分になるために役立つものなのである。意志力とは、生物的本能のようなものであり、自分をコントロールするために鍛える必要がある。自分の強い目標達成のために、自制を行い、生まれる反動はさまざまであり、ひとつひとつクリアしていくことが重要である。将来のことを思い描く際にも、あまりにも漠然としていて、意志が弱いがために目先の誘惑に負けそうになるが、欲望を押さえつけるのでは返って逆効果になるのだ。自分を知った上で許すことも意志力を高めることにつながる。ストレスや誘惑にあふれた現代に生きる私たちにとって、本書で書かれた方法の中で効果的な方法を継続させていくことが最善であるといえる。本書の実験に従い、読み終えたとき、自己認識が達成はされ、そうした自己認識の力は、将来なりたい自分に近づくことに力を貸してくれるだろう。

 

 

『面接ではウソをつけ』

 駿河台経済新聞の評価:★★★★☆

面接ではウソをつけ (星海社新書)

面接ではウソをつけ (星海社新書)

 

 

 この本は就活弱者に向けての本だ。「二流大学」「コミュ力0」「バイト以外何もしなかった」といった弱者がどう面接をクリアするか。「ありのままの自分」で勝負せずにウソをついてジャイアントキリングを起こす、そんなメソッドを教えてくれる。

 

 本書では、面接の実態とするべき準備を提示している。

 たとえば、面接官というと採用のプロと思うが、多くはそうでない。仕事の合間に面接を片付ける、といった程度だ。彼らはプロでない以上、容姿に左右されたり、ある優秀な点だけで人を判断してしまったりする。要は、「評価エラー」は簡単に発生してしまうのだ。これは意外な事実ではないだろうか。

 

 また、準備についても具体例をもとに丁寧に解説している。

 以下、この本の骨格をなしているともいえる二点を紹介したい。

 

ⅰ). 他己分析をする

 面接において大切なのは「相手の立場」であり、自分の立場はあまり関係ない。相手に合わせる、といった意味ではマニュアルトークも意味をなさない。話しきって満足するのは自分だけで、それではただの押し売りになる。つまり、面接官とは?会社が求める人物像とは?といった他己の分析に重点を置くべきで、自己分析なんてものはある程度でいいのだ。

 

ⅱ). 面接では演技をする

 相手は自分の過去なんて全く知らないわけだからいくらでも性格は変えられる。「本当のダメな自分」をその10分間だけは「デキる人物」を演じればよいのだ。ただし、そこで失敗しないためには準備が必要だ。上手なプレゼンターは必ずかなりの準備を行った上で本番に臨む。第一志望の前に少なくとも10社は受けて肩慣らしをし、逐一修正して、より上手になっていかなければならない。

 

 その他にも数多くの筆者の営業体験をもとにしたメソッドが紹介されている。

 これから面接に備えなければ、と危機感を覚えている人に是非お勧めしたい一冊だ。