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駿河台経済新聞

神田駿河台から発信する経済・ビジネス・社会情報

統計的思考法とは何か:『ヤバい統計学』

 

ヤバい統計学

ヤバい統計学

  • 作者: カイザー・ファング,Kaiser Fung,矢羽野 薫
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2011/02/19
  • メディア: 単行本
  • 購入: 11人 クリック: 93回
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本書では、統計的思考について、以下の5つの特徴が挙げられている。
1、常にばらつきに注目する
2、真実より実用性を優先させる
3、似た者同士を並べる
4、2種類の間違いの相互作用に注意する
5、稀すぎる事象を信じない

我々は大きな数字を平均化することを好むが、統計学は平均よりもむしろ”ばらつき”に注目する。
例えば、ディズニーランドでは、ファストパスを用いることで待ち時間を減らせる、とゲストは思う。しかし実際の待ち時間は短くならない。列に並ぶということから解放されるだけだ。ランド側はファストパスの発券量を調整して、ゲストを一定のペースで配置している。結果、年々アトラクションの待ち時間が長くなっているのにもかかわらず、ゲストの満足度を上昇させ続けている。
このばらつきを利用して儲けているのが保険会社だ。彼らは相関関係のないさまざまあリスクを組み合わせることで、保険料を算出している。
しかしばらつきがある以上、統計的検定はありえない結論に到達することもある。奇跡を信じてはいけない、許容誤差、信頼区間といった確率を示すのが統計学である。
こうしたあらゆる数字が世界を支配している。それを知ることであなたは世界を支配できる。

このように上記の5つの統計的思考の特徴を、宝くじやクレジットカードなどの身近な実例を用いて説明している。タイトルの元ネタの本ほどヤバい内容でもなく、専門的な言葉を用いた説明は、ほとんど最終章にまとめているため、統計学を学んでいる者は勿論、これから学ぶ者も統計学への入り口として役に立つだろう。