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駿河台経済新聞

神田駿河台から発信する経済・ビジネス・社会情報

わかる文章を書くために:『「文化系」学生のレポート・卒論術』(渡辺潤,宮入恭平)

書評

 

「文化系」学生のレポート・卒論術

「文化系」学生のレポート・卒論術

 

 

大学で課題に出されるレポート、卒業に必要な卒論。当然のように課されるこれらの書き方は、意外と教わる機会がないものだ。しかし書き方も教わらずに数千字、数万字の文章を書けるだろうか?

 

そこで役に立つのが本書、『「文化系」学生のレポート・卒論術』。次の4つのパート、書き方のツボ、使えそうなコンセプト、役立ちそうなトピック、データの集め方、に分けてレポートや卒論の書き方をレクチャーする一冊である。

始めの書き方のツボでは、人に伝えるための文章表現の基礎や、客観的な文章の書き方がまとめられているパートだ。続いて使えそうなコンセプトでは分析法を、役立ちそうなトピックでは現代の文化についてのトピックを、それぞれ10ずつ紹介している。この2つのパートは、課題のどこに注目して、どんな視点で分析するといいのか、という疑問のヒントとなるだろう。最後にデータの集め方では、データを集め整理する方法が3つ示される。参考文献の探す際やフィールドワークの行う際の参考になるパートだ。

 

本書内で、レポートや卒論を書く意義とは、わからないことに自分から気づき、好奇心をもってその理由を考え、自分なりの答えを見つけるために、材料を集め分析し、それを文章にまとめる力を養うことにある、と述べられている。また自分自身の考えていることを明確にしながら、文章を書く経験がいい成績を取るよりも大切だ、とも指摘する。

わからないまま書くよりも、この本を読んで、自分自身と向き合って書くことが、自身の力となるのではないだろうか。