駿河台経済新聞

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★ゼミ試関連pert4★ 政経セミナーってなにやるの?

今回のテーマは政経セミナーです。政経セミナーとは政治経済学部のゼミナールに所属する学生の共同論文集として毎年発行されるものです。私たちは、前回紹介した福島県いわき市での夏合宿にて行ったフィールドワークを基に論文を作成し、政経の卒業生や二年生に発表しました。論文は社会統計班、経済統計班、フィールド班に分かれて調査、執筆をしました。それでは班ごとの内容をざっくり紹介したいと思います。

1、社会統計班

社会統計班では、センシュアスシティランキングという指標を使い、魅力ある都市(幸福で居住希望度の高い都市)になるには外食産業を発展させることが重要と仮説を立てました。その仮説を立証するため、前期に習った統計学の重回帰分析という技法を用い検証しました。結果は外食に行く頻度と幸福度は相互に関係があり、外食の頻度と幸福度が居住希望度を強めることがわかりました。面白かったのは大都市に住むことが居住希望度を高めるわけではないということでした。統計学を習うと、こんな面白いことも発見できるんですね!

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2、経済統計班

経済統計班では、前期に学んだ産業連関表を使い、外食産業を発展させるとどのくらいの経済効果があるのかを検証しました。産業連関表とは国内や地域内での財やサービスの産業間取引を示したものです。産業連関表を使うと地域の経済構造、生産波及効果が分かります。福島県いわき市を産業連関分析すると、3つのことが分かりました。

①飲食業の利鞘が大きく低価格競争が行われてない

②飲食業の生産額シェアが低い

③飲食料品の地産地消率が低い

ここからいわき市は飲食産業を発展させる余地があり、地産地消率を上げれば大きな経済効果をもたらすことが分かりました。現在の福島県では飲料市場の需要を県内の飲食市場で賄うだけで2.4億円の純増効果があることも分かりました。産業連関表を学ぶとこんなにも細かい試算までできちゃいます!

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3、フィールド班

フィールド班では外食産業を発展させる方法を考察しました。いわき市のフィールドワークを通じて飲食店が少ないこと、低未利用地が多いといった課題をみつけました。そこで前期に習った法律(コモンズ協定)を使い、具体的な土地の集約方法を考えました。飯田先生に教わったことがこんなところにまで役立つなんてワクワクしますね!

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飯田ゼミでは、授業で学んだ事をプレゼンや夏合宿のフィールドワーク、政経セミナーで実際に使うことでより深い学びを得ることができます。知っているだけでは終わらず使える状態を目指しています。より深い学びを得たい学生にとってはこれ以上ない場所ではないでしょうか。二年生の皆さん、健闘を祈っています。