【就活本紹介】 『MBA式 面接プレゼン術』 『人事のプロは学生のどこを見ているか』
超一流ビジネスマンは、いかにして自分を売り込むか?
『MBA式 面接プレゼン術』 (シェル・リアン)
駿河台経済新聞の評価:★★★★☆
マッキンゼー、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー……。アメリカのトップスクールで就活指導を行い、数多の学生を超一流企業に送りこんできた著者による面接必勝法が、これでもかと言うほど披露されている。
「面接において最も大切なのは、“あなたがふさわしい人間かどうか”ではありません。あなたがふさわしい人間であるということをいかにうまく伝えるか、あなたが相手にとってすばらしい選択肢であり、まさに適任者であることをうまく表現できるかです。」(まえがきより)
この一節に表さているように、面接において重要なのは資質ではなく技法なのだという。
本書は二部構成になっており、第一部において面接の技法を説明している。会いたいと思わせる履歴書の書き方、面接の組み立て方、更には欠点をウリに変える説明法など、面接における一般的なアピール方法は第一部で網羅されている。
そして第二部においては、実際に33もの質問とそれに対する理想的な回答を紹介している。第一部で記されている技術を具体的に学ぶことが出来るのだ。「学業成績が悪かったようですが、何故ですか?」「あなたのどんな所が、当社にとって存在価値があると思いますか?」……このような質問に、あなたならどう答えるだろうか。その最適解が、本書には記されている。
ただし日米の文化差ゆえにそのまま応用できない事がある為、注意も必要だ。
例えば? 本書には「面接の初めに面接官と力強く握手をしなさい」と書いてあるが、もし握手を求めたら日本の面接官はタジタジだろう。
ともあれ、新卒採用を狙う学生のみならず転職を考えている方も活用できる本書、ぜひ手にとってみてはいかがだろうか。
『人事のプロは学生のどこを見ているか』(横瀬勉)
駿河台経済新聞の評価:★★★★☆
会 社は、学生の本来の姿が見えなくなっていると 嘆き、学生は自分らしさを出せないともがいている。本来の自分の特徴を抑えて、会社が望んでいると思われる役を演じたり、奇をてらって目立てば、どこかに 就職できるのではないかと考えているようでは、企業が実際に求めている学生像には当てはまらない。
本書は就職活動のノウ ハ ウの類が書かれているわけではない。本書では、著者の会社での採用担当としての経験と、学生に近い立場で観察したことなどをもとに、会社がどういう視点で 学生を見ているか、会社の本音などを紹介している。それを知ることにより、学生と会社の考えのギャップを埋め、学生が、より自分らしさを発揮しつつ個性を 武器に就職活動に臨むよう示ししている。
本書の流れとしては、エントリーシートの書き方から説明会、グループ面接など各 面 接、インターンシップも含めて、採用プロセスそれぞれでの会社側の意図や面接官の視点について解説している。また、働きたい会社の見つけ方も説明してお り、自分のやりたいことを実現するためにはどんな会社に行けばいいかも解説している。
「自分らしさとは?」と問われて、答えられる人はなかなかいないだろう。私もそうである。本書では、自分がどういう人間か、どういう考えをもとに行動しているのかをつかむための方法なども第7章で示しており、自己PRに悩む学生には必読である。
これから就活に臨む人や就活に行き詰った時に、ぜひ読んでほしい一冊である。