駿河台経済新聞

神田駿河台から発信する経済・ビジネス・社会情報

Interpetsに行ってきました!

こんにちは!

 

ついに4月になってしまいました。3年生です。

今年1年を有意義にできるよう、頑張ります!

 

 

本日はエイプリルフールですが、正直に書いていこうと思います!

 

さて、私達は東京ビッグサイトにて、3/31〜4/3に開催された、「第6回インターペット〜人とペットの豊かな暮らしフェア〜」に行ってきました!

 

このイベントは、ペットフードなどだけではなく自動車やITなど様々な分野のビジネスがあることを来場者に認知してもらったり、商品を実際に買ってもらうことを目的としているようです。

 

ワンちゃんネコちゃんだけでなく、アクアリウムのブースもありましたが、実際にどんなブースがあったのかを紹介したいと思います。

 

アクアリウムのブースでは、とてもキレイな水槽が置いてあり担当の方に説明をしていただきました。

f:id:SurugaD:20160401214358j:plain

 

その水槽は食物連鎖を利用した構造になっており、魚にとっても、水草にとっても、すごく生きやすい、キレイな仕組みになっているようです。その仕組みとは、「光合成」と「食物連鎖」を利用したものです。

 

この仕組みを維持するためには、魚や水草、土という3つの要素がそれぞれ不可欠だそうです。

 

水草光合成をして新鮮な酸素を出し続けているのですが、光合成のために必要な二酸化炭素は魚の呼吸や、土の中に存在する微生物が魚の糞尿を分解することによって排出しているようです。

 

①魚の糞尿が水槽内に残らない

②常に新鮮な酸素が存在する

 

自然界のサイクルをうまく利用することによって清潔な環境を自動的に作り出す、すごい水槽でした。

 

また、ブースの担当者の方が今のペット業界について語ってくれました。

熱く語るビジネスマンはすごくかっこよかったです!

f:id:SurugaD:20160401214419j:plain

そのほかにも、様々なブースがありました。

 

散歩中のワンちゃんが異物を食べないようなマスクが紹介されていました。

このような細かい気配りがペットにも向けらる時代が来ているんだと、驚きました!

f:id:SurugaD:20160401214449j:plain

 

また、こちらは消臭効果のある商品の説明を受けている場面です。

理系な内容すぎて説明しきれないのですが、オゾンの力を利用しているそうです。

15cmほどの大きさの商品で一部屋分を消臭できる効果があるそうで、科学の力を思い知りました。

f:id:SurugaD:20160401214521j:plain

 

 

余談ですが、会場にはワンちゃんを中心に様々な動物いて、終始癒されました!

その中でも、こちらのネコちゃんの寝顔が最高でした!

f:id:SurugaD:20160401214550j:plain

 

最後にイベントに行ったメンバーで写真を撮りました♪

 

f:id:SurugaD:20160401214959j:plain

 

撮影者も後からパシャリ。

散歩しているワンコがテーマだそうです。飼い主役のやるせない表情がたまらないです。ワンコ役のイケメン(大嘘)もトイプードル並に人気がでるといいですね♪

 

f:id:SurugaD:20160401215454j:plain

 

 

 

 

東京モーターサイクルショー2016に行ってきました!

 

こんにちは!
卒業式も終わり、春休みも終わりに近づき、いよいよ新学期が始まります!

 

さて、私達は東京ビックサイトにて3月25日〜27日に開催された第43回東京モーターサイクルショーに行ってきました。

 

東京モーターサイクルショー協会が主催で目的はモーターサイクル産業の復興と健全なモーターサイクル文化の育成・普及を通じ、豊かな社会生活の実現と経済の発展に寄与することだそうです。

 

最新メーカーのバイクを観ることができ、さらに試乗もでき、バイク好きにはたまらないイベントとなりました。私達自身、バイクに興味はなかったものの、最後にはかっこよく魅力的なバイクに興味を持っていました。

 

日本の4大メーカーはYAMAHA、SUZUKI、HONDA、KAWASAKIです。私達はその中でも、特にYAMAHAとSUZUKIに注目しました。

 

そこで、YAMAHAとSUZUKIについての内容を説明します。

 

YAMAHA

f:id:SurugaD:20160328010608j:plain

 


このバイクはスリーホイーラー「トリシティ」です。新しいエンジンBLUE COREエンジンという走行性能と環境性能の両立を高次元で実現した次世代小型エンジンを搭載しています。

 

最新モデルでとてもかっこよく試乗するのにも長い列ができていて、驚きでした。

 

〝SUZUKI〝

f:id:SurugaD:20160328010627p:plain

 

私達が注目したのはバイクではなくこのメーカーのTouring Messengerというツーリング専用アプリです。この機能はライダー同士のコミュニケーションをサポートするものでツーリングに新しい楽しさを与えてるくれるでしょう。

 

それぞれのメーカーが独自の技術、工夫がなされていて、感心するばかでした。

 

この他にも海外メーカーのドゥカティ、トライアンフ、ハーレー・ダビッドソン、BMWKTMなど、有名なメーカーのブースも数多くありました。

 

f:id:SurugaD:20160328001530j:plain


そして、実際に乗ってみました!

 

f:id:SurugaD:20160328010702j:plain

 


皆さんはハーレー・ダビッドソンというバイクを1度は聞いたことがあると思います。ワイルドかつパワフルで斬新モデルなので個性派にオススメです!凄まじくクールです!

 

f:id:SurugaD:20160328002306j:plain

 

実際に行ってみて、「仮面ライダー」と記念撮影できる場所もあり、警視庁の提供で白バイの見学もでき、子供から大人まで家族が楽しめるイベントでした!バイクのことに興味が少しでもあるのなら行くべきです!ぜひ行ってみてください!

 

 

CLUB HARLEY(クラブハーレー) 2016年 04 月号

CLUB HARLEY(クラブハーレー) 2016年 04 月号

 

  

ツーリングマップル 関東 甲信越 2016 (ツーリング 地図 | マップル)

ツーリングマップル 関東 甲信越 2016 (ツーリング 地図 | マップル)

 

 

 

 

 

 

 

宇宙ミュージアム「TeNQ」に行ってきました!

こんにちは!

飯田ゼミ4期です。いよいよ初めてのゼミブログ更新です。よろしくお願いします。

 

今回、私たちは水道橋の東京ドームシティで開催されている宇宙ミュージアム「TeNQ」に行ってきました。

 

f:id:SurugaD:20160307113726p:plain

宇宙ミュージアムは単なる宇宙の学問的解説にとどまらず、視覚を通じた体験が出来る施設です。この施設の名前は「TeNQ」ですが、TeNは天・点・展を表し、QはQuest,Questionを示しています。

 

具体的には4K超の高解像度映像を駆使し、宇宙の雄大さ、美しさ、そして臨場感を味わうことが出来ます。とりわけ、イマジネーションをテーマに扱う部屋では宇宙自己診断アストロボールの遠隔操作体験が出来るので、友人や家族、大人から子供まで楽しむことが出来ます。例えば、私たちはミニロボットを操作してゴールを競うゲームで楽しみました。

f:id:SurugaD:20160307113741p:plain

 

では、ここで質問。皆さんこの缶に見覚えありますか?

f:id:SurugaD:20160307113754p:plain

ご存じの通り、氷結に使われているデザインです。このデザインは実は宇宙科学研究所の三浦教授が考案したものです。ダイアモンドのような三角形パターンのこのデザインは、缶の形が変化する驚き、楽しさを人々に生み出しています。また、滑りにくく、持ちやすいユニバーサルデザインでもあるのです。身近なところに宇宙とのつながりを感じますね。

 

他にも宇宙に入り込んだような体験を出来る場がたくさんありました。興味のある方はぜひ行ってみて下さい。

 

f:id:SurugaD:20160307113832p:plain

 

最後にお土産で宇宙食を買いました。美味しかったです。 

f:id:SurugaD:20160307113843p:plain

 

f:id:SurugaD:20160307113852p:plain

澤内さん一緒についてきてくれてありがとうございました!

 

 

宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)

宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)

 

 

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

 

 

 

卒論紹介『大型商業施設が地方都市に与える影響の分析について』

4年の櫻井です。今回は、卒業論文について、簡単にではありますが、紹介していきます。

 

テーマ

「大型商業施設が地方都市に与える影響の分析について

――両毛地域におけるイオン店舗の経済的影響の考察」

 

はじめに

近年日本では豊富な土地の余剰がある地方への、大型商業施設の出店が増加している。大型商業施設の出店は、周辺地域への経済効果が非常に大きく地域の活性化につながるだろうと期待されている。一方で、大型店舗ではより少ない従業員によってそれまでよりも、大きな売り上げを上げるなどの利潤の効率化や、もともと当該地域にある商店街などの多店舗からの顧客吸収など、マイナスの経済効果を与えているという指摘もなされている。そこで、大型商業施設の出店が真にプラスの経済効果をもたらしているのかをDID分析を用いて検証していく。

 大型商業施設といってもその種類は、様々である。そのため、今回は地方都市とその周辺地域の経済に、より深い関係があるであろうと考え、食料品など日用品の調達場所として、周辺地域の住民をメインのターゲットとする店舗の代表的なものとしてイオンを調査対象とした。

 

今回、分析対象としたイオンは次の通りである。

・イオン高崎店

・イオン大田店

・イオン今市店

・イオンモール小山店

・イオンモール佐野新都心

・イオン栃木店

 

同様に、分析に使用したデータは、住宅地平均地価、商業地最高地価、法人税、新設住宅着工戸数であり、それぞれの市町村ごとに集めて使用した。

・住宅地平均地価・・・(国土交通省地価公示)

・商業地最高地価・・・(国土交通省地価公示)

法人税・・・(総務省 地方税に関する統計)

・新設住宅着工戸数・・・(住宅着工統計)

 

 

分析結果、および考察

 

住宅地平均地価

住宅地平均地価

イオン都市

非イオン都市

開業1年前

 

 

平均

-5.25%

-7.01%

中央値

-4.96%

-6.88%

標準偏差

0.009157191

0.019154532

開業1年目

 

 

平均

-4.69%

-8.85%

中央値

-4.18%

-5.66%

標準偏差

0.018701701

0.077435963

開業2年目

 

 

平均

-7.12%

-5.39%

中央値

-5.46%

-4.84%

標準偏差

0.04206436

0.025214079

開業3年目

 

 

平均

-4.48%

-5.41%

中央値

-5.34%

-4.84%

標準偏差

0.033924433

0.025214079

開業4年目

 

 

平均

-3.89%

-5.57%

中央値

-5.54%

-5.96%

標準偏差

0.037711054

0.045266132

開業5年目

 

 

平均

-5.35%

-4.07%

中央値

-5.53%

-4.47%

標準偏差

0.056657437

0.037864784

 

住宅地平均地価については、イオンの開業は、わずかであるが地価の減少を改善させるという結果がみられた。

開業1年目にはイオン都市の地価が改善し、非イオン都市の地価の増加率が大幅に下落しているのがわかる。イオン都市において、住宅地の地価が改善したということはその地域に住みたいと思う人が増加したものによると考えられる。イオン開業によって、新たに生まれた雇用にともなって、勤務地の近くに引っ越す人が増加したのではないだろうか。さらには、開業することによる生の利便性の向上などの期待感が高まり、地価の増加率を改善させたのではないかと考えられる。しかし、開業2年目ですでにイオン開業の効果は非常に弱いものとなり、開業から5年目には、非イオン都市との差はほぼなくなっていることから、その効果は非常に限定的であることもわかる。また地価が改善しているのは開業前後のみであり、開業2年目以降には大きな値の増減をみることはできない。

大型商業施設開業の効果は、住宅地においてはプラスに働くが、その効果は非常に短期的なものであるといえるだろう。

 

商業地最高地価

商業地最高地価

イオン都市

非イオン都市

開業1年前

 

 

平均

-6.04%

-12.52%

中央値

-5.13%

-10.20%

標準偏差

0.038513606

0.045778336

開業1年目

 

 

平均

-9.04%

-10.91%

中央値

-6.66%

-11.63%

標準偏差

0.044964098

0.054681513

開業2年目

 

 

平均

-9.10%

-9.89%

中央値

-7.61%

-12.96%

標準偏差

0.056882559

0.069033869

開業3年目

 

 

平均

-9.07%

-10.10%

中央値

-10.69%

-12.96%

標準偏差

0.075205943

0.069033869

開業4年目

 

 

平均

-7.63%

-7.17%

中央値

-7.94%

-10.20%

標準偏差

0.077922408

0.098672142

開業5年目

 

 

平均

-6.51%

-3.04%

中央値

-6.54%

-4.72%

標準偏差

0.070532036

0.06176422

 

商業地最高地価については、イオンの開業は商業用地の地価を大幅に下げるという結果となった。同時期の非イオン都市においては、緩やかな改善が続いていることからも、イオンの開業は、商業地においてマイナスの影響を与えていることがわかる。つまり、その土地にできたイオンが新たに生み出した消費と収益率が、既存店からイオンが吸収した収益率よりも低いといえるだろう。

 また、大型商施設であるイオンには、様々な専門店が複合的にあることからも、イオン周辺への他事業者の出店は難しいと考えられる。その点も、商業用地としての価値を下げた要因として挙げられるのではないだろうか。

このことからも、本稿のはじめで先行研究の中で紹介したように、大型商業の開業は、経済的にプラスの影響を与えるのではなく、単に経済発展ではなく、経済活動の配置転換であるといえるかもしれない。

 

 

法人税

法人税

イオン都市

非イオン都市

開業1年前

 

 

平均

2.31%

7.64%

中央値

8.49%

10.84%

標準偏差

0.157346946

0.234734674

開業1年目

   

平均

25.37%

26.43%

中央値

21.72%

8.23%

標準偏差

0.162302601

0.415385859

開業2年目

   

平均

-1.21%

7.41%

中央値

-0.72%

2.67%

標準偏差

0.098294387

0.199326763

開業3年目

   

平均

18.91%

6.04%

中央値

6.78%

2.67%

標準偏差

0.345776023

0.199326763

開業4年目

   

平均

71.45%

6.79%

中央値

3.62%

1.94%

標準偏差

1.708449568

0.20578225

開業5年目

   

平均

11.45%

-2.12%

中央値

3.01%

0.28%

標準偏差

0.270121052

0.102163617

 

 法人税については、開業前後で法人税の増加率は非常に大きく増加していることから、イオンの開業は当該地区での売り上げの増加に寄与していることがわかった。これは、イオン開業により当該地区での消費が増加したことが示唆される。しかし、非イオン都市と比較すると2年目までの増加率の推移がほぼ同じである点から考えると、増加の原因がイオンの開業にあるかは、注意して考慮する必要もあるだろう。だが、この増加は長く続かず、開業2年目には大きく減少している。これは、単にイオンの売り上げが落ちたこともあるであろうが、一方でイオン出店によって、閉店または売り上げが落ちてしまった事業所の影響も考えられる。

 また、住宅地平均地価同様にイオン開業による大きなプラスの効果は長期的には続かず、都市を経るごとに、減少していくこともわかる。

 

 

新設住宅着工戸数

新設住宅着工戸数

イオン都市

非イオン都市

開業1年前

 

 

平均

0.94%

-6.09%

中央値

6.93%

-4.63%

標準偏差

0.116446159

0.147937677

開業1年目

   

平均

18.25%

-0.71%

中央値

18.46%

2.62%

標準偏差

0.096999023

0.146019129

開業2年目

   

平均

16.61%

8.54%

中央値

21.14%

10.00%

標準偏差

0.196255644

0.115810271

開業3年目

   

平均

-2.52%

8.73%

中央値

2.88%

11.11%

標準偏差

0.153340064

0.104664703

開業4年目

   

平均

-0.88%

9.51%

中央値

-1.95%

16.92%

標準偏差

0.170594613

0.158893657

開業5年目

   

平均

-5.60%

0.01%

中央値

-0.93%

-1.48%

標準偏差

0.200728943

0.128633273

 

 新設住宅着工戸数については、イオンの開業は短期的にはプラスの影響を与え、長期的にはほぼその効果はなくなるという結果となった。これは、イオン開業にともなる、周辺地域の人口増加、あるいは増加した雇用により、他地域から当該地域への転入者が増えたのではないかと考えられる。しかし、その影響はほかの変数同様開業1、2年の短期的なものである。ここで、他の変数と異なる点は開業後年数を経るごとに減少率が大きくなり長期的には、マイナスの影響となっている点である。

 

 

参考文献・データ出典

・原田英生(2008),『アメリカの大型店問題 小売業をめぐる公的制度と市場主義幻想』、有斐閣

・松浦寿幸・元橋一之(2006),「大規模小売店の参入・退出と中心市街地の再生」,独立行政法人経済産業研究所,2006,Vol.35,No.3。

慶應義塾大学 直井道生研究会 地方政策分科会(2014),「アウトレットモール開業が地域に与える影響 ――成功するアウトレット開業とは」,ISFJ 政策フォーラム2014 発表論文

国土交通省国土交通省地価公示都道府県地価調査,

http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0 (2015.11.23アクセス)

総務省地方税に関する統計』

国土交通省『住宅着工統計』

一般社団法人 日本ショッピングセンター協会ホームページ

http://www.jcsc.or.jp/ (2015.10.26アクセス)

イオンリテール株式会社ホームページ

 http://www.aeonretail.jp/shop/aeonlist.html (2015.10.26アクセス)

・イオン各店舗ホームページ(イオン高崎店、イオン太田店、イオン今市店、イオンモール小山店、イオンモール佐野新都心店、イオン栃木店)

 

 

 

 

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

 

 

卒論紹介『子どもの成長と労働環境との関係性の分析について』

論文報告

「子どもの成長と労働環境との関係性の分析について

―――よい子指標を用いた子育てに望ましい労働環境の考察」

 

はじめに

少子高齢化の進む日本社会が労働力を維持するためには、生産年齢人口にあたる人びとのうち、より多くの人に働いてもらうこと、そして子どもの数を増やすことの二点が重要です。しかし現状では、特に女性に対して仕事か育児かのどちらかしか選択できないような環境となっており、両立ができていません。そこで卒業論文のテーマとして選択したのが子どもの成長と就労環境についての関係です。分析の手順としては、まず主成分分析により子どもの成長について、よい子指標と呼べるような指標をつくりました。そして、このよい子指標と労働者の状況を示す変数との関係を、重回帰分析を用いて分析し、子どもと労働の間にどのような関係が存在するのかを明らかにします。なおこの分析では、2010年の都道府県別統計データを主に使用し、2010年に調査のなかった社会生活基本調査については、調査期間の最も近い2011年のデータを使用しました。

 

主成分分析の説明と分析結果

 そもそも主成分分析とは、いくつかある変数を見やすくまとめる手段の一つです。具体的にどのように見やすくするかというと、それぞれの変数に主成分負荷量をかけて、新しく変数を合成することで、変数をまとめた指標をつくるのです。この分析では、主成分分析を行った結果得られた主成分のうち主成分1と2を重回帰分析の被説明変数としました。以下が各変数の主成分別負荷量です。

 

図表3:第1主成分の負荷量

f:id:SurugaD:20160307111719p:plain

 

 第1主成分は進学率の負荷量が最も大きくプラスに働き、続いてセンター試験受験率が続いています。また全国学力調査の得点率もまたプラスに働いており、学力をあらわす項目の全てがプラスに働きました。一方で専門学校の進学率や就職率がマイナスに働いていることは、大学への進学者が多いことを示しています。したがって第1主成分は学歴に重点を置いたよい子の指標といえるのです。

 

図表4:第2主成分の負荷量

f:id:SurugaD:20160307111737p:plain

 

 

 次に第2主成分については、学力調査の正答率や就職率がプラスに働いています。そしてマイナスに働いているのは少年犯罪率であることを考えると、勤勉さや勤労さが反映された、態度重視よい子指標と言えそうです。その一方で、大学進学率がマイナスに働いていることから、大学進学を重視していないことが考えられます。


回帰式の設定

 ここでは、よい子指標を被説明変数として行った重回帰分析の回帰式の設定過程について述べていきます。この分析における目的変数は、就職率、第1主成分である学歴重視よい子指標、第2主成分である態度重視よい子指標の3つであり、それぞれの目的変数に対して重回帰分析を行いました。そして説明変数は以下の21項目です。

 

  • 一人あたり県民所得
  • 昼夜間人口比率
  • 有業率
  • 完全失業率
  • 求職者比率
  • 過去1年以内の就業異動中の就業継続率
  • 起業者割合
  • 役員割合
  • 正規雇用者割合
  • 平均継続就業期間
  • 労働条件を理由とした離職率
  • 結婚を理由とした離職率
  • 妊娠・出産を理由とした離職率
  • 介護・看護を理由とした離職率
  • 子育て中の有業者割合
  • 子育て中の有業者の育児休業等制度の利用率
  • 介護を行っている有業者の割合
  • 介護中の有業者の介護休業等制度の利用率
  • 仕事にかける時間
  • 通勤・通学時間
  • 学習・自己啓発・訓練(学業以外)

 

推計結果と考察

 まず重回帰分析の結果を説明したのちに、3つの回帰分析の結果から読み取れる事柄についてまとめを行います。はじめに、就職率を目的変数とした重回帰分析の結果ですが、傾向が読み取りにくい結果だったため、割愛します。

 

学歴重視よい子指標を目的変数とした回帰結果

 主成分分析で得た指標からはまず、学歴重視よい子指標を目的変数とした重回帰分析の結果を説明します。P<0.4を満たす説明変数は10項目が残りました。

 

図表6:学歴重視よい子指標を目的変数とした回帰式

説明変数

係数

t値

有意水準

P値

一人あたり県民所得

0.00267

4.09006

***

0.00023

昼夜間人口比率

-0.11724

-1.94427

*

0.05971

完全失業率

-0.22843

-1.01363

 

0.31752

起業者割合

-2.69364

-3.34311

***

0.00194

役員割合

1.25126

3.10841

***

0.00366

平均継続就業期間

-0.26302

-1.19519

 

0.23983

結婚を理由とした離職率

0.45826

2.69090

**

0.01074

妊娠・出産を理由とした離職率

-0.26705

-1.61624

 

0.11477

子育て中の有業者の

育児休業等制度の利用率

0.18499

2.07360

**

0.04533

介護中の有業者の

介護休業等制度の利用率

-0.11942

-0.96509

 ですが

0.34094

(定数項)

5.42845

0.73394

 

0.46774

R2=0.667, AIC=156.527

*:10%有意,**:5%有意,***:1%有意

 

分析の結果、一人あたり県民所得、起業者割合、役員割合の3項目が1%有意を満たしました。さらに5%有意の範囲に収まったのは、結婚を理由とした離職率と子育て中の有業者割合で10%有意の範囲には昼夜間人口比率が含まれています。これら、10%有意までに含まれる項目の多くがプラスにはたらいており、マイナスにはたらいた項目は起業者割合と昼夜間人口比率です。

 

態度重視よい子指標を目的変数とした回帰結果

図表7:態度重視よい子指標を目的変数とした回帰式

説明変数

係数

t値

有意水準

P-値

有業率

-0.28523

-2.57116

**

0.01429

求職者比率

-0.45930

-3.02658

***

0.00448

役員割合

0.27731

1.34273

 

0.18754

介護・看護を理由とした離職率

0.58984

3.04974

***

0.00422

子育て中の有業者割合

-0.22443

-1.36041

 

0.18193

子育て中の有業者の

育児休業等制度の利用率

0.16658

2.39517

**

0.02179

介護を行っている有業者の割合

-1.52305

-3.98520

***

0.00030

仕事にかける時間

0.10283

3.74004

***

0.00062

通勤・通学時間

-0.08837

-1.93018

*

0.06128

(定数項)

4.43133

0.88178

 

0.38359

R2=0.612, AIC=141.463

*:10%有意,**:5%有意,***:1%有意

 

 態度重視よい子指標を目的変数とした回帰分析では、求職者比率、介護・看護を理由とした離職率、介護を行っている有業者の割合、仕事にかける時間の4点が有意水準1%を満たしており、有業率と子育て中の有業者の育児休業等制度の利用率が有意水準5%、通勤・通学時間が有意水準10%にそれぞれ含まれています。

 

分析結果から

 以上の分析結果から読み取れることのなかで興味深いのは、「子育て中の有業者の育児休業等制度の利用率」がふたつのよい子指標のどちらにも有意だったことです。ここから女性が働きながら子育てを行うための制度を利用しやすい環境にあることは、こどもが学歴や態度の面においてよりよく成長していくために重要といえます。したがって、出産・育児休暇や時短勤務といった、子育てを援助する制度を整えることはこどものためにもなることなので、より促進すべきだといえるでしょう。

 

参考文献

西内 啓(2013),『統計学が最強の学問である――データ社会を生き抜くための武器と教養』、ダイヤモンド社

符 李諱(2009),「高学歴女性と少子化に関する実証的研究一共働き高学歴女性の職業意識・労働環境と育児実態の事例から一」,『総合政策』第7 巻第1 号,Iwate Prefectural University,p105− 106。

嘉本 伊都子(2004)「女子学生のライフコース設定と就労意識──2003年度質的社会調査を通して──」,『現代社会研究』第7巻, 京都女子大学現代社会学部,p63-81。

大野 祥子(2012) 「育児期男性にとっての家庭関与の意味 男性の生活スタイルの多様化に注目して」,『発達心理学研究』第23巻第3号,一般社団法人日本発達心理学会,p 287-297。

多賀 太(2005)「性別役割分業が否定される中での父親役割」,『フォーラム現代社会学』 第4巻, 関西社会学会,p48-56。

住田正樹・中村真弓・山瀬範子(2009)「幼児をもつ親の役割意識に関する研究」,『放送大学研究年報』第27巻, 放送大学,p25-33。

総務省(2014)「平成 26 年版情報通信白書」,総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141210.html:2016年1月11日閲覧)(licensed under CC-BY 2.1 JP http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/)

 

 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

 

 

 

その数学が戦略を決める (文春文庫)

その数学が戦略を決める (文春文庫)