駿河台経済新聞

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夏合宿 in奈良 ~奈良市編②~

こんにちは!今回も夏合宿編!奈良市B班の活動を紹介します!
 
 私たちの班は、「いかにして奈良県に宿泊してもらえるか」を解決するべく、主にホテルや旅館といった宿泊先に重きを置き、ヒアリングをしてきました。

ヒアリング初日、私たちは株式会社ワールド・ヘリテイジ、川井澄子さんと小島隆史さんにヒアリングを行いました。
株式会社ワールド・ヘリテイジさんは、主に奈良県でホテル、土産物店、飲食レストラン、コンサルティング事業を展開されている会社です。
御二方には、「奈良県になぜ観光客は泊まらないのか」を紐解くべく、主に奈良県内のホテル業界全般に関して伺うことができました。

奈良県のホテル数は全国ワースト」この事実を皆さんは知っていましたか?観光名所が数多く存在するにも関わらず、泊まる場所が圧倒的に少ない。この事実が観光客が奈良県に泊まらずに、大阪・京都に宿泊してしまう要因の1つであると仰っていました。もちろんホテルの数が少ない理由もいくつか仰っていましたが...詳細はレポートをご覧になってください。

今後は、「日本酒発祥の地、奈良」や「修学旅行生を奈良に泊めるプラン」などをアピールしながら、奈良を盛り上げて行きたいと仰っていました。

梅乃宿 純米吟醸 紅梅 720ml [奈良県/辛口]

梅乃宿 純米吟醸 紅梅 720ml [奈良県/辛口]


そして、1日目のお昼ご飯は、川井さんから教えていただいた、「彩華ラーメン」にしました!

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ニンニクが効いていて、スタミナがつきました!!!


2件目は、「げすとはうす はる・きたまち」に伺いました。はる・きたまちのオーナーさんは、2013年に惜しまれつつ長年の歴史に幕を閉じた奈良県内の老舗旅館の経営に携わっていた方です。
オーナーさんのお話によると、ゲストハウスが近年増加し人気が高まっている理由が旅館の原点に隠れているそうです。

昔の旅館は現在の旅館のような大規模でそして会社経営的な形態ではなく、オーナー自身と数名のアルバイトで成り立っていました。そんな小規模で開放的な空間の中から生まれる、オーナーと宿泊客のコミュニケーションがよりその街の観光地の魅力を引き出すことに繋がっていたと言います。
そのような昔の旅館の良さが現在のゲストハウスという形で戻ってきており、オーナーさん自身もゲストハウスを運営しようと決断されたそうです。

実際に班員もヒヤリングという目的を一時は忘れ、オーナーさんとの会話を楽しんでいました。次回は実際に泊まってみたいと思います。


続いて、私たちは元山万規子さんにお話を伺いました!

元山さんは奈良で埋蔵文化財修復のお仕事をメインでやられながら、奈良で様々な人を対象としたコワーキングスペースを運営され、さらに奈良を中心に伝統をテーマにしたイベントを催されている方です。
そんなお忙しい元山さんに、イベントを開こうと思ったきっかけをはじめ、元山さんが目指していること、また元山さんが考える奈良の魅力について貴重なお話を頂けました。

元山さんが描くビジョンとして「稼げる伝統工芸を作る」というものがあり、そのためにはデザインと技術そのどちらか一方を変える必要があるというお話が印象的でした。両方を変えてしまうと伝統は何も残らず、何も変えないと現代では古いだけで終わってしまいます。
その例として吉野財で建てられた「ぷろぼのビル」を紹介していただき、たまたま泊まっていた宿の近くにあったため早速翌日見学に行ってきました。


ヒアリング二日目。私たちは、元山さんから教えていただいた「ぷろぽの福祉ビル」という建物を訪問しました。
このビルは、奈良県の市街地に位置し、奈良県産の杉や檜をふんだんに使った木造5階建ての福祉施設です。このような木造建築の福祉施設は全国でも非常に珍しいと言います。

では、なぜこのような施設を作ったのか。施設の関係者にヒアリングを行いました。主な理由は、「奈良県は吉野杉が古くから非常に有名であるということ」「福祉施設として、障害のある方々のストレスを少なくしたいという想い」など、様々ありました。もちろん消防法など法律面やコスト面で、非常に大変だった部分もあったと言います。しかし、このような新しい施設が奈良県に貢献しているということを知りました。また、私たちも実際に訪問することで、木造の温かみを肌で感じることができ貴重な体験でした。

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次に、私たちはお寺を改修してゲストハウスにした「THE TEMPLE」のほうに行きました。そこは、私たちが行ったことのないような空間でした。ゲストハウスに泊ったことがある人は班の中にはいましたが、このようなお寺をゲストハウスにした場所に泊まったことがある人はいませんでした。実際、お寺をゲストハウスにした場所はここが初めてであり、また日本でも一棟貸しでこのような施設を借りることができる施設はここしかないそうです。

私たちはここを運営している西出恵美さんにお話を伺うことができました。

西出さんは奈良市紀寺町にある宝珠寺の建物の一部を改装し、このような施設を造られたそうです。「寺のある風景を守りたい」と競売に出されていた寺を購入し、風情を残す形で開業させた西出さんは「寺や地域の人たちと共存共栄していきたい」と地域に溶け込んだ運営を目指しているそうです。

実際、西出さんとお話している際とても奈良に対しての愛情や情熱を感じ、私たちの心にも響きました。また、今後奈良をどのようにしていかなければならないのか、また奈良の良い点悪い点なども伺うことができ、自分たちにとって有意義な時間になりました。

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二日目の二件目は、2017年の6月にオープンした奈良市の中でも特に新しいホテルである、ピアッツァホテル奈良にお邪魔し、営業統括マネージャーの方にお話を伺いました。

奈良市になかなか観光客が宿泊してくれないといった現状や、その解決のためにはホテル業界だけでなく飲食店や観光地と連携していくことが大切であるといったご意見を頂き、とても勉強になりました。

またマネージャーの方のご厚意でホテルの客室を見学させていただきました。もちろんすべての部屋が素敵でしたが、やはり一番目を引いたのがスイートのお部屋でした。最新の家電やシャワールーム、そしていったい何人用なんだと言いたくなるほど大きなベッドを見て、いつの日かこんな部屋に泊まれるようになろうと班員と決意を固めました。

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まちのゲストハウス考

まちのゲストハウス考

  • 作者: 真野洋介,片岡八重子,明石健治,豊田雅子,飯室織絵,加納亮介,蛇谷りえ,井筒もめ,森岡咲子,武田昌大,田中惇敏,西村祐子,Yone(米村知倫)
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最後に私たちは「第69回京終さろんー東大寺の祈りと声明Ⅱ—」というイベントに参加してきました!

こちらは奈良にある町屋ゲストハウスならまちのオーナーさんが奈良の弱点である定常的な夜の楽しみの少なさを克服するために月に一度催しているイベントです。

私たちが参加した今回の京終さろんは、1000年以上経った今でも奈良の人達にとって一年を通して最も重要な季節の行事である「東大寺二月堂のお水取り」について、大導師を勤められた上司永照さまのご講演でした。

お水取りで歌われる声明(お経に節をつけた仏教音楽)の現代語訳や歌い方など東京では聞けないようなお話を聞くことができました。
また140名もの方が参加されていて、何人かの方にお話しを伺うと、大半は地元の人で、お水取りの行事の意味や祈りについて勉強されに来ているそうです。
1000年以上も続いてる行事が今でも普通に生活に溶け込んでいる点は奈良の魅力の一つだと感じました。

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以上、私たちの班が行ったヒアリングの内容です!
実際に現地に行き、お話を伺うことで様々な課題を知ることができました。また、奈良県をよく知るきっかけとなり、非常に有意義な時間を過ごすことができたと思います。

ヒアリングの詳しい内容や考察は、今後ブログに掲載しますので、ご覧になってください。