駿河台経済新聞

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夏合宿 in奈良 ~奈良市編①~

こんにちは!夏休みも終わり、新学期になりましたがみなさんいかがお過ごしですか?
私たち飯田ゼミは夏合宿として9/17~9/20で奈良へ行きました!

ゼミ生の中で三つのグループからなる奈良市班と安堵町班に分かれ、それぞれヒアリングしてきました。
これから4週にわたり合宿での取り組みを紹介したいと思います!

今回は奈良市A班の活動を紹介します!

都市地図 奈良県 奈良市 (都市地図 奈良県 1)

都市地図 奈良県 奈良市 (都市地図 奈良県 1)

 奈良A班の最初の活動は東北わくわくマルシェでプロデューサーをされている雫石吉隆さんの講義です!今回の合宿のテーマは「観光客が奈良に泊まってもらうための研究」で、私たちは商品などのサービスに付加価値として“ストーリー”を付けることに注目しています。雫石さんは、東日本大震災時に行った事業の経験を、“ストーリー”作りのヒントとして私たちに話してくれました。

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 東日本大震災に襲われた1カ月後、雫石さんは生産地とシリアルナンバーが刻まれた“浜のミサンガ 環”を作り始めます。被災地に仕事を作る、寄付ではなく確かな対価、バラバラになった地元の人たちの気持ちを一つに。それらの意義やストーリーがつまったミサンガの話を聞かせてもらいました。また、ストーリーがある本当に良い商品には、マスコミが勝手に寄ってくるものだと教わりました。 

その後、“きらっ都奈良”という商業施設の2階で起業支援を行っている、株式会社まちづくり奈良の吉富さんと若瀬さんに取材を行いました。


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奈良が起業しやすい街であるという話はとても興味深かったです。例として、京都に比べて家賃が安い点や、大阪、京都双方に近いため拠点にできる点、そして、生活する際も落ち着いておりとても暮らしやすい点を挙げていただきました。最近奈良が好きになりすぎて千葉から引っ越してきたと教えてくれた若瀬さんは「奈良独特の異空間が好き。わかりやすい刺激ではないけれど地域の中で暮らしている感覚があるよ。ちょっと歩けば鹿に会える。生活の中でも俺らの鐘の音が聞こえるんだ」と魅力を語ってくれました。

また、活動のヒントとして奈良と同じく、近畿圏で経済規模の小さい和歌山県は、農業に振り切っている部分があるから県民所得は奈良の方が低いということ、また奈良でブランディングされているものとして、筆・墨・靴下・ニット・グローブ・ランドセル・日本酒・奈良漬・三輪そうめん、などがあることを教えていただきました。


お二人への取材が終わりお昼ごはん。食べたらさっそく取材です!取材先は商店街の中にあります。アーケードに覆われた商店街。少し閉鎖的な空間に、店がひしめいて並んでいて昭和を思わせる独特な雰囲気で味があります。その一角にある「ひつじのゆめ」というお店に取材を伺いました!
お店に入ると並んでいるのは、アクセサリー、マフラー、ニット、ジャケット。羊毛を毛糸にするところから始まり、全て手作りで作られています。
店主の北村明美さんに話を聞かせていただきました!

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どのように今までお仕事をしてきたか丁寧にお話をしていただきました。「羊毛を毛糸にするところから始まる全ての工程を行う今の仕事は、自分が作る商品の個性を大切できている」とやりがいを感じているようでした。
北村さんの作る商品を是非売りたい、ネット販売を行いたいと手を上げる会社もあるそうですが、北村さんは「大量生産では個性が消えるからね。」と一貫生産にこだわっています。そんな思いで作られている商品の質はもちろん、それ以外の付加価値もあるように感じました!取材中にニット帽を被らせてもらったところ、とっても軽いし頭に優しくフィットしてとても素敵なものでした!お土産にストラップもいただきました。ありがとうございました!

その後、夜は、ホテルの周辺を探索しました!奈良に訪れる以前、奈良にはあまりものがないイメージだった僕たちは、居酒屋など夜を満喫するナイトタイムエコノミーがあまり活性化していないのではないかと考えていました。しかし実際に駅の近くを歩いてみると、居酒屋を中心とした飲食店が20店舗以上集まっていて、他にもラウンジやバーといったお酒を飲めるお店が10店以上はあったのは意外でした。ただ、実際にお店に入ってみるとお客さんは少ない…
お店の方やキャッチの方に話を聞くと、「観光客は少ないね、地域の人が比較的多いよ」と教えてもらい、お店はあるけどそれが観光資源に成りえていない現実が身に沁みました。

次の日!午前中は奥吉野6村の匠が作る木工文具や雑貨の店“やまからな”の取材に行きました!店内には、手作りで多種多様の木工製品がたくさん並べられていました。店主の長谷川桂二さんには、行政とビジネスプレーヤーの間に意識の乖離があり、成長が停滞していること、また、日本人と比べて訪日外国人のほうがよりお金を使うといったような、きれいごとではない奈良県の実情についてお話しいただきました。

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そして、最後となる次の取材に赴きました。
国際交流事業を行っている田中庸一朗さんに話を聞きました!

ロシアに20年以上滞在した視点や経験から興味深い話を沢山聞かせてもらいました!ロシアの子供向けに書かれた各国を紹介する本において、日本の欄には「日本は世界で唯一、天皇という皇帝が存在する国。また富士山やフグの国」という記述があり、日本に対して不思議なイメージが持たれているみたいです。
また、田中さんは、知られていないからこそ外国人を誘致しやすいと奈良に人を呼び込むヒントを僕達に教えてくださいました。

そしてなんと、嬉しいことに取材後に田中さんがご飯に誘ってくれました!

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また偶然居合わせたオーストラリア人の方に、活動のヒントを得ようと取材をしたところ意気投合して一緒にお酒を楽しみ、最後に写真も撮りました(笑)

3日目の夜はゲストハウス“UGAYA”に宿泊しました。料金はなんと1人2500円!!
入り口を開けると土間があり、広い客間が素敵です。落ち着いた雰囲気のオーナーの方が親しげに迎え入れてくれました。するとピンを手渡されて、出身地を日本地図・世界地図にさすように言われました。
また大きな本棚にはマンガや小説、雑誌の他にも奈良または京都大阪に関する本が多くありました。部屋は畳の和室、奈良の雰囲気がそう思わせるのかどこか旅館のような落ち着いた雰囲気で、とても高級感あふれる宿泊になりました!

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そしてそのオーナーの方にも話を聞かせてもらいました!
“ホテルが少ないから客が増えない”という奈良のイメージ。しかしこれは、マスコミなどの影響でどんどん独り歩きし、その結果、どんどんホテルが立てられてしまっているそうです。「需要があれば宿は増える。単に需要をうまく生み出す政策が出来ていないのに、間違った情報で宿泊施設がどんどん増えたことで宿泊施設の金額はどんどん下がって悪循環が起きている」と話していました。また活動のヒントとして、奈良の観光の問題点に、京都と違いバスが頻繁に通っていない。奈良は観光となる名所が集まっていないから、色々な所にあって回るのに時間がかかる。というようなことも教えてもらいました!

ゲストハウスガイド100 - Japan Hostel & Guesthouse Guide -

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